冬になると血圧が高くなる人がいます。それは、高血圧の治療をしている人だけの話ではありません。普段はあまり血圧が高くない人でも、冬になると血圧が上昇している事があるのです。

原因として一番に考えられるのは気温の変化です。寒い時、人間には体の熱を失わないようにする仕組みがあります。熱は体の表面から出ていきますので、体表の温度は下げて、体の奥は暖かく保つ必要があります。そのためには、皮膚に近い所の血流を少なくする必要があります。細い動脈が収縮して細くなることで、血流量を調整しているのです。

血圧というものは、大きく3つの要素で変化します

①心拍出量(心臓から送り出される血液の量)

②流れている血液の量

③血管の抵抗

①については、ポンプである心臓が弱れば血圧が下がることは分かりやすいですよね。②についても、大量に出血すれば血圧が下がるのは当然です。

分かりにくいのは③ですね。人間の体は、細い動脈が広がったり縮んだりすることで、血圧をコントロールしています。血圧というのは動脈内の圧力ですので、動脈の先の方が細くなれば、手前の圧力が高くなるのです。

皮膚から熱を失わないようにするためには、血流を調整する必要があります。そのために細い動脈が収縮し、結果として血圧が高くなるわけです。反対に、暑い時には体の熱を放出する必要がありますので、動脈は広がって皮膚の血流を増やすようにします。こうして、夏は血圧が低く、冬は血圧が高いという現象が起こることになります。

自分でできる対策としては、体を冷やさないように暖かく過ごすしかないでしょうね。冬の間は、他の時期よりもマメに血圧を測定するようにしましょう。時々、血圧が高いことがあっても、普段が高くなければ大丈夫です。もしも、血圧の高い状態が何日も続くようなら、医療機関を受診して相談してください。寒い冬の間だけ血圧の薬を服用したり、高血圧の薬を増量したりすることも可能です。気温が暖かくなり、血圧が下がってきたら、薬を減量したり、終了したりすれば良いのです。