日々、高血圧診療に携わる医師が、高血圧とのかしこい付き合い方を解説します。知識があれば、自分の血圧は自分で管理できます。

正しい血圧の測り方

 健診やドックで血圧が高いと指摘されたとき、まず最初にすることは決まっています。自動血圧計を手に入れて、家庭での血圧を測定することです。

最近は、自動血圧計が簡単に手に入るので、家庭での血圧を気軽に測ることができます。器具の選び方については《自動血圧計の選び方》をご参照ください。ここでは、正しい家庭血圧の測り方について解説をします。
「血圧計の使い方なら説明書を見ればわかるよ」という方もいるかもしれません。しかし、それだけではダメなのです。自動車の説明書を読んでも車の運転ができないのと一緒です。適した測定の仕方をすることで、有益なデータを得ることができるようになります。でも、そんなに難しいことではありません。以下のポイントを押さえておけば大丈夫です。

①測定する時間
②測定する場所
③測定する姿勢
④マンシェットの巻き方
⑤右腕と左腕のどちらで測るか
⑥記録を付ける

①血圧を測定する時間を考える
実は、血圧というものは常に変動しています。一日中、血圧が一定という人はいないのです。ですから、適当な時間に測って「高い!」「低い!」と言ってもデータ的な価値は低い物です。多くの人は夜に眠っている間は血圧が低くなり、朝目覚める頃に高くなってきます。そのため、起きて間もない時間に測る血圧が、一日で最も高くなる傾向があります。ただし、色々な体質の方がいるので例外もあります。朝よりも夕方になると血圧が高くなる人も時々います。「旦那が帰ってくると血圧が上がるんです」なんて女性の方も以前にいました。
基本的に、朝と夕方の二回測ると良いでしょう。時間のある時には、昼間や夜の血圧も測ってみることもお勧めします。ただし、毎日4回も5回も測定することはやめましょう。神経質になりすぎると、血圧の値を極度に気にする《血圧神経症》になってしまいます。忙しい時にはサボってしまう程度の気構えで十分です。
測定の時間で注意しなくてはならないのが、飲酒と入浴です。どちらも、血圧を下げる傾向があるので、飲酒後と入浴後の血圧は参考になりません。

②血圧を測定する場所
一般的に、血圧は寒い時には高く、暑い時には低くなる傾向があります。ですから、冬の寒い部屋や、夏の暑い部屋などでは普段と違う値になる可能性があります。適温の部屋で測定するようにしましょう。また、緊張するとすぐに血圧が高くなる人がいます。落ち着ける環境で測定しましょう。

③測定する姿勢に気を付ける
人間は寝ている時と立っている時では、血圧の値が変わってきます。腕で測る場合、寝ている方が血圧の値は一般的に高くなります。血圧測定は椅子に座った姿勢て測定しましょう。腕は胸くらいの高さになるよう、机の上へ置くようにします。特に、手首で測るタイプの血圧計では上下の差が出やすいので注意が必要です。

④マンシェットの巻き方
腕まくりマンシェットとは血圧測定の際に腕へ巻き付ける帯のことです。自動血圧計の種類によっては筒状になっている物もあります。地肌に巻くのが理想ですが、測定 の度に服を脱ぐのは大変ですので、薄着なら服の上からでも大丈夫です。セーターなどの厚みのある服は脱ぐようにしましょう。よく、上腕で測るときに腕まく りをする人がいますが、袖が重なって厚くなった上から巻いては逆効果です。もちろん、手首のタイプなら良いでしょう。
マイク

 

マンシェットには血管の音を拾うためのマイクが仕込まれています。マイクの位置には印が付いていることが多いので、自動血圧計の説明書で確認してくださ い。マンシェットと巻くときは、マイクが血管の上に来るように調整します。手のひらを上に向けた時状態で、上腕で測るタイプでは肘のやや小指側(図のA)、 手首で測るタイプでは手首の親指側(図のB)になります。ここには動脈が通っていますので、ご自分で脈を確認してみると良いでしょう。

⑤左右どちらで測るか
「どっちでも好きな方でいいでしょ」と思われる方も多いと思います。確かに、ほとんどの場合は左右どちらで測っても大差ありません。しかし、一部の人で左右の腕で血圧が違う事があります。これは、大動脈から分岐した動脈が腕に向かう途中で、何らかの理由で細くなっていると起こります。細い所を血液が通ると、その先では圧が低くなってしまうからです。左右の腕で血圧に10以上の差があったら、基本的に高い側で測定するようにしましょう。
血圧を測り始めたら、一度は左右の血圧を比べてみることをお勧めします。動脈が狭くなる原因の大半は動脈硬化です。左右差が大きい場合は循環器科で相談した方がよいでしょう。あなたは大丈夫でしょうか?

⑥記録を付ける
人間に記憶ほどあてにならないものはありません。血圧の数値など、大半の人は3日もすると忘れてしまうはずです。手帳でもスマホアプリでも、何でもよいので記録を残すようにしましょう。そして、病院・クリニックを受診するときには必ず持参するようにしましょう。

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